長野県 戸隠
長野駅から車で40分。
標高1200mの山間部に、茅葺(かやぶき)の宿坊が立ち並ぶ集落があります。
自然信仰の地、戸隠。
かつて人々は、生命の起源である水、そして水の起源である山々に、神を見ました。
厳しい自然に沿う生き方、人智を超えたものに対する畏敬の念。
その精神は今でも、ここ戸隠の暮らしに息づいています。
私たち日本人が、時代とともに忘れてきたものが、ここにはあります。
戸隠は、ひとと自然、
精神世界と物理世界が共存する
「あわい=間」の地。
ひとと自然が分断され、
その歪みが顕在化しているいま、
戸隠の人々が悠久の時を経て
継承してきた
あわいの世界観は、
価値あるものと考えます。
私たちは、受け継がれてきた営みに
静かに光をあて、
お客様が日々の喧騒から離れ、
心澄まして自然や
自身と向き合う時間を提供します。
信仰
戸隠神社には、「天岩戸開き神話」の地として、ゆかりの神々が祀られているほか、地主神として水と豊作大神の九頭龍大神が祀られています。
江戸時代には参詣者を宿泊させるための宿坊が構えられ、門前町が形成されています。戸隠には今も多くの宿坊が存在し、戸隠神社とともに、自然信仰の精神を脈々と継いでいます。
自然
戸隠地区は、新潟県と長野県にまたがる国立公園「妙高戸隠連山国立公園」の一部です。
標高1,911mの霊山・戸隠山は、かつて海底が隆起してできた急峻な山岳であり、その荘厳な姿からは、自然の美しさと厳しさが感じられます。
山麓の高原は、野鳥や蝶、高山植物の宝庫であり、多くの登山者を惹きつけています。
蕎麦
戸隠は、全国的にも有名なそば処。地元でとれた薫り高いそば粉と、山が生む美しい水、そして職人の技術があわさり、引き締まった質の高い戸隠そばが生まれます。
そばの収穫は、夏と秋の2回。秋に採れたそばを「新そば」と呼び、10月下旬、戸隠神社への新そば献納祭を経て、味わうことができます。
伝統工芸
戸隠特産の根曲り竹でつくる、竹細工。その技術は、江戸時代の初め頃から地域の人たちの生活の中に生まれ、雪に覆われた戸隠の冬の手仕事として、代々継承されてきました。
ベテランの職人が時間をかけて編み上げた竹細工は、とても繊細で美しく丈夫で、日常を少し豊かにしてくれます。